通りがかりで府道７３３号線

別離を告げる日付の更新を私は知る
ひとりは透けた封筒に封入するから

通りがかりで府道７３３号線

修旅の持ち物を　君は整理しながら
乗り損ねた　観覧車の綴りで扇げば
昼の時間切れが　お土産に立候補する
八月夏休み　まだ時間切れではない

通りがかりで府道７３３号線

鳥は果てなく誰かを呼び続け
私がようやく目視できたとき
私とほぼ水平に止まっていた
樹頂は背景の緑らに溶かされ

通りがかりで府道７３３号線

７回裏風船は空へ音をたてて
役目をおえて降りおちました

通りがかりで金蔵寺

口笛を吹いて　自転車で帰ってきた
昼休み応接間で横に　やっぱり口笛

通りがかりで府道７３３号線

夕ぐれ　外で子供が吹いてるのかと思えば
ひとりは炊事場で　口笛を吹いていました

通りがかりで金蔵寺

凝らしても　青くは見えませんでした
鳥は長く啼き　読経は長く響きました

通りがかりで安祥寺山林道

ネフは林で急に通行人を演じる　
鳥は枝にのり折あしく挨拶する
でも私らはあと１週だけ無視し
ひとりを修旅の集合場所に送る

通りがかりで安祥寺川

美術の課題はフェナキスティスコープでした

通りがかりで大極殿公園

溝はボーリングのガーターのように
公園の垣根を越えたボールが転がる
クラクションに驚くねこが避難する
塀をつたう酔っ払いは溝ぶたに感謝