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通りがかりで栄池 [京都]

私は小さな谷の山肌で立ち
蟻は枝から枝へ伸びた蔓をたどり
魚は長靴より浅い水の底で身をくねらせ 音をたて
渡り鳥は遠慮がちに水場を訪れる

夢はあなたの送別会を開いた
しかし招待状は省略させた
あなたは会釈だけ見せに来た
どこへお行き 出発それとも帰着

山肌に座って長靴が藻草に届いた
風はしばられず吹き 落葉は自身の合図で身を投げ
たった一度 あなたをのせた小舟が過ぎた

いつのまに 中間休み
予期せず終礼のベルを聞きましたか
心待ちに終礼のベルを聞きましたか
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