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通りがかりで隋心院 [時井]

柵に囲まれた猫じゃらしの草原を 撮影する
草むらから あなめというひびきを 耳にする
透明な山羊が 足拍子を踏むのか 生え方はまばら
ねこが 日向ぼっこでゴロ寝するのか まばら

あの頃 席を離れることさえ
切なくためらったのに
翌日 私は草むらに入り 躓くとき あの声は停止する
ただ 私の足元には 植木鉢が転がるだけ

午后 老人は草むしりを終え 子供たちの遊び場となるだろう
草原にかくされていたのは テニスボール ブーメラン ヘルメット
自転車 ブロック塀の走り書き

夕暮 秋風は皮膚にささり 静脈を伝わり心臓に届く
そして心臓から逆流するのは あなたがいない寂しさ
NOといわじ 好きか嫌いかでいうと 好きだった
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おまけ
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